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私は絶望の真っ只中にいた。
それでも、任務を遂行しなければならないのは分かっていた。
あの人が野良猫の組織から消えた時もそうだった。私達は、万が一の時は仲間よりも任務を遂行することを優先すると決めていた。いつか、どこかでまた会えるから…。

翌朝、とてもよく晴れいた。
積もった雪がキラキラと光り、窓越しに綺麗だと思った。同時に、私には似合わない純白の景色だと感じた。
ガチャっとドアが開く。
「瑠宇ちゃーん?朝だけど起きてる?」
「お前、ノックぐらいしろっ!着替えて無かったらどうするんだ?」
「うん、ごめんごめんww」
全く反省の色がない。
「これ、届いてたょ?」
「私に…?」
にこにこと笑いながら小包みを渡した。
送り主は椿さんだった。
椿さんは、まだ生きてる…!
「良かったねぇ、まだ逃げ切ってる人がいるみたいで。さぁ、どこまで逃走出来るか見ものだね〜。僕の時と同じゲームを我が主は楽しんでいらっしゃる。」
「お前は、何とも思わないのか?」
「何を思うの?僕らは君達みたいな仲間意識はないからねぇ。顔見知りだろうと、歩合制みたいなところがあるし。仲間同士で獲物の奪い合いだよ。同じ集団に属する敵。その敵を潰してくれてるんだ!僕の手を汚さずにね。有難い話だよ。」
つくづく、カラスは解らないと思った。

私は1人になってから、小包みを開けた。
中には、薬が3種類と暗殺ペンが入っていた。箱の底に手紙が入っている。
『あの家はもうない。だが、皆んなそれぞれ身を隠して散らばった。野良猫に家はもともと必要ではなかったのだとマスターは言っていた。訳があって連絡は取れない。この小包みが最後の連絡になるかもしれない。だが、お互い生き延びれば、きっと、またどこかで会えるはずだ。生きてそこを出てこい。 椿。』

そう、きっとまたどこかで会える…。
この戦いに勝とう。

私は暗殺ペンを胸の裏ポケットに忍ばせた。何となく、皆んなの思いが身に染みるような感じがしていた。

そんな時だった。
邸宅のベルがなった。外には黒い車が停まっている。

来たのか。
ようやく、私の戦う相手が来た。
一階に降りて出迎えに行く。
最初はメイドらしく振舞っておこう。
だが、見た目だけでも
少々予想外な人物だった。

ピンク色のロングヘアー。
黒と白のゴシックファッション。
片目に黒の眼帯。首にチョーカー。
両耳にピアス。
口にアメをくわえて登場…。

「おかえり〜っ!きさらちゃん!」
やたらとテンションの上がる鴉川。
「渓くん、気持ち悪い。」
可愛い声で単刀直入に言う。
ぇ、この娘が…?
「きさらちゃん!新しいメイドさんだょ!一ノ瀬瑠宇ちゃーん!」
「…初めまして、メイドとして働くことになりました、一ノ瀬瑠宇です。」
眠そうな顔をして、私の顔をじっと見つめていた。
「…るぅしゃん?んー、キャンディ…食べる?」

これが、彼女との最初の会話であった。





















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