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私ときよら、鴉川の3人はきよらの体調が回復するまで
あの家でまた暮らすことになった。
自宅待機、ときさらは言ったが私にとっては少し違う気もする。

きさらが戦闘で戦って以来、鴉川の笑顔はぎこちなかった。
初めて鴉川と会った時の笑顔はそこにはなくて、
それでもきさらの為に必死に笑顔を作っていた。

きさらも何となく察しているのだろうか。
前にも同じようなことがあったからいいの、と彼女は話していた。
鴉川は、きさらが戦闘に立ち、きよらの命を削る度に
相当精神的に追い込まれてしまうのだろう。
それが、人間らしくて……居心地が悪い。
そんな感情、とっくに捨てたはずなのに、私まで辛くなる。

蒼井さんが言っていた通り、鴉川は戦闘で汚れたきさらの服を洗ったようだった。
干してあるそのボロボロの服は、もう二度と着ることがないだろうに。
蒼井さんの言葉が頭をよぎる。
――『全部捨てちゃえば、楽になるのに』

鴉川は時折、職場に赴いたが帰宅後は
部屋にこもることもしばしばあった。
きよらの様態が気になるが、聞ける雰囲気ではなかった。
もし、きよらが回復しなかったら、きさらは一体どうなるのだろう?
妙な不安がよぎるが、疲労しきった鴉川に何も言えなかった。

「なぁ、瑠宇」
それはある日突然だった。
鴉川はずっと言い出しずらかった言葉を口にするように言った。
「今度、会議がある。お前も来るか」
酒臭い鴉川の言葉を私はのんだ。
「行く」

鴉川が泥酔しないと、私に声を掛けられなかった理由を知ったのは
それからしばらくたった日のことだった。
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