2017.01.08 第6話 日常

奇妙な3人の生活が始まった。
朝、目が覚めると隣のベッドではぐっすりときさらが眠っている。

私は昨日のことを思い出していた。
きさらが私に言った言葉の意味を理解できないでいた。
一体、私に何を言いたかったのだろう…。
こうして、無防備に寝ている彼女を見ていると、今が狙い時…とも思える。
その反面、桜条要が言っていた人間として対等に彼女と接する道、
というのも考え始めていた。
私の脳内で、桜条要ときさらの言葉が交互に繰り返される。

『彼女は強くなり過ぎた、暗殺すべき人間』

『二人分の私で出来ている。だから、強い。』

『彼女が誰にも危害を加えないように』

『私は人を傷つける。そして傷つけられる。』

『一緒に過ごせばわかるさ』

『何度も、繰り返してきた悪夢。』

私は、彼女を知るまで殺せない気がした。
桜条要が何をたくらんでいるか、想像がつかない。
今となっては、マスターのこともよく分からない。
鷹尾も…。
急に孤独を感じた。

「るぅしゃん。」
振り向くと、きさらがすでに着替え終えて私の顔を覗き込んでいた。
「…なっ、なんだ。急に驚かすな。」
「顔色、悪いよ?ご飯食べよう?」
「あぁ。着替えたらすぐいく。」

…まて。なぜだ?
私が考え込んでいたのは、ほんの数十秒。
だが、彼女はあんなに爆睡していたのに身支度を整えている。
しかも、メイド服!!!

「るぅしゃん、着替えないと風邪ひく。」
きさらはそういうと私にメイド服を投げつけた。
私はとっさによける。
「お前、人に向かって一体時速何キロで投げつけてんだ!」
だが、不思議ときさらは何の悪気もない様子だった。

そう。
きさらにとっては大した速さではなく、むしろ優しく放ったようなものなのだ。
彼女の威力は普通の人間の何倍もある。
キャンディーを私の口に入れたあのときは、
おそらく自分の意志で制御していた。
だが、少し気が緩むと普通の人間の何倍もの力が出てしまうようだった。

「ほらほら、二人とも朝から喧嘩しないで。朝食できたよ~。」
にこにこしながら鴉川が入ってくる。
「お前…。」
「ん?」

「ノックぐらいしろぉおおっっ!!」


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