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帰らなくては…。
私はまた歩き始めた。

鷹尾の過去を初めて知って、まだ整理がつかない。
私と鷹尾は同室で、まだヘレンローゼカッツェに来たばかりの幼かった私を可愛がってくれた。
まるで、本当の兄弟のような関係だった。
だけど、私は鷹尾のことを結局今まで何も知らなかったんだ。
鷹尾から教わったことは、たくさんある。
自分を守る術も、戦う術も…。
ヘレンローゼカッツェの一員として生きる為の全てを彼から教わった。私はそんな彼を兄のように慕い、尊敬していた。
でも、私はカラスに育てられた猫だった。
鷹尾は、ヘレンローゼカッツェの一員としての意識は全く無かったのだろうか。そんな風には思えない。思いたくない。
彼がカラスだろうが猫だろうが、私にとっては憎めない存在。
カラスとの衝突が多いヘレンローゼカッツェだったが、
鷹尾は、今まで何を思って生きてきたのだろう。
きっと、アサシンとして仕事をしていた彼は、
元仲間と正面から戦う場面もあったはずだ。
たくさん、抱え込んで…そして今も。
今度は本当に1人になって何か成し遂げようとしている。
カラスも猫も無い世の中の為に、
闇を作りあげた人間に罰を与えようとしている…。

彼の心の中には
今、何があるのだろうか…。

白い息が、音もなく消えていく。

私は桜条家の大きなドアの前にいた。
合鍵でドアを開け中に入ると少し暖かかった。

きさらは、どうなっただろう…。
想像はつくが、確認だ。
鷹尾のことは、鷹尾が決めるだろうし、
これが片付いたら、散らばってしまった仲間を探さないと…。

私は大広間に入った。

1日に2回もプリンアラモードを落とすことになるとは、思ってもいなかった。
「あ、瑠宇ちゃん。おかえり〜!」
ガスマスク姿の鴉川がきさらの髪を櫛で丁寧にとかし、
一方のきさらはなぜかメイド服を着て、
グラス片手にくつろいでるのだった。

「ん?るぅしゃん、おかえり。白ワイン、飲む?」
「…なぜだ。」
私は鳥肌がたっていた。
「一緒に白ワイン、飲みたいんじゃないの?w」
「ふざけるな!第一、未成年だ。」
鴉川が爆笑している。
そのまま、ガスマスクの中で窒息すればいいのに。
「きさらちゃんは毒ガスくらいじゃ、大したダメージ受けないょー。しばらく眠ってたみたいだけどね?なんか、起きたら、甘い香りのお風呂だったの、って部屋出てきて可愛いのなんの!しかも湯船で爆睡したみたいでさー。部屋出てきた時は、なんか地味なジャージ着てて髪びしょ濡れで〜!!なんとレアなのって!!でも、ジャージも濡れたから、結局部屋にあったメイド服着せて、髪乾かしてあげて、今櫛で優しくとかしてあげてたところっ!」
気持ち悪い。
きさらは、人間じゃないのか…?

「もぉ!きさらちゃん、メイド服似合い過ぎだしっ!」
鴉川が変態メガネだという事は、よく分かった。
そして、無抵抗のきさらもどうかしてる…。

「なぁ、きさら。お前は、本当に人間なのか?」
「…。」
鴉川がにやにやと笑っている。
きさらは、真っ直ぐ私の目を見て言った。

「私は…プリン、食べたい!」

きっと、プリンアラモードの袋を拾っていたら、
その袋を落とすのは3回目になっていただろう…。


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