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帰らなくては…。
私はまた歩き始めた。

鷹尾の過去を初めて知って、まだ整理がつかない。
私と鷹尾は同室で、まだヘレンローゼカッツェに来たばかりの幼かった私を可愛がってくれた。
まるで、本当の兄弟のような関係だった。
だけど、私は鷹尾のことを結局今まで何も知らなかったんだ。
鷹尾から教わったことは、たくさんある。
自分を守る術も、戦う術も…。
ヘレンローゼカッツェの一員として生きる為の全てを彼から教わった。私はそんな彼を兄のように慕い、尊敬していた。
でも、私はカラスに育てられた猫だった。
鷹尾は、ヘレンローゼカッツェの一員としての意識は全く無かったのだろうか。そんな風には思えない。思いたくない。
彼がカラスだろうが猫だろうが、私にとっては憎めない存在。
カラスとの衝突が多いヘレンローゼカッツェだったが、
鷹尾は、今まで何を思って生きてきたのだろう。
きっと、アサシンとして仕事をしていた彼は、
元仲間と正面から戦う場面もあったはずだ。
たくさん、抱え込んで…そして今も。
今度は本当に1人になって何か成し遂げようとしている。
カラスも猫も無い世の中の為に、
闇を作りあげた人間に罰を与えようとしている…。

彼の心の中には
今、何があるのだろうか…。

白い息が、音もなく消えていく。

私は桜条家の大きなドアの前にいた。
合鍵でドアを開け中に入ると少し暖かかった。

きさらは、どうなっただろう…。
想像はつくが、確認だ。
鷹尾のことは、鷹尾が決めるだろうし、
これが片付いたら、散らばってしまった仲間を探さないと…。

私は大広間に入った。

1日に2回もプリンアラモードを落とすことになるとは、思ってもいなかった。
「あ、瑠宇ちゃん。おかえり〜!」
ガスマスク姿の鴉川がきさらの髪を櫛で丁寧にとかし、
一方のきさらはなぜかメイド服を着て、
グラス片手にくつろいでるのだった。

「ん?るぅしゃん、おかえり。白ワイン、飲む?」
「…なぜだ。」
私は鳥肌がたっていた。
「一緒に白ワイン、飲みたいんじゃないの?w」
「ふざけるな!第一、未成年だ。」
鴉川が爆笑している。
そのまま、ガスマスクの中で窒息すればいいのに。
「きさらちゃんは毒ガスくらいじゃ、大したダメージ受けないょー。しばらく眠ってたみたいだけどね?なんか、起きたら、甘い香りのお風呂だったの、って部屋出てきて可愛いのなんの!しかも湯船で爆睡したみたいでさー。部屋出てきた時は、なんか地味なジャージ着てて髪びしょ濡れで〜!!なんとレアなのって!!でも、ジャージも濡れたから、結局部屋にあったメイド服着せて、髪乾かしてあげて、今櫛で優しくとかしてあげてたところっ!」
気持ち悪い。
きさらは、人間じゃないのか…?

「もぉ!きさらちゃん、メイド服似合い過ぎだしっ!」
鴉川が変態メガネだという事は、よく分かった。
そして、無抵抗のきさらもどうかしてる…。

「なぁ、きさら。お前は、本当に人間なのか?」
「…。」
鴉川がにやにやと笑っている。
きさらは、真っ直ぐ私の目を見て言った。

「私は…プリン、食べたい!」

きっと、プリンアラモードの袋を拾っていたら、
その袋を落とすのは3回目になっていただろう…。


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想像力!バトン

Q1 冬
A1 頭が寒そう
Q2 車
A2 運転出来ない
Q3 愛
A3 されるには愛すること!
Q4 足首
A4 にはサロンパス、
Q5 約束
A5 誰かは絶対すっぽかす
Q6 遠い
A6 昔
Q7 ネット
A7 社会
Q8 悲しい
A8 俺が慰めてやる。
Q9 立った
A9 タラッタッタラー♪
Q10 さよなら
A10 さ→いきん、よ→なよな、な→つかしいと思うんだ、ら→ッスンゴレライ…

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なんとなーくですが
バトンとやらに手を出して
書いて見ました〜

2016.12.25 Blackmaidmeeting
とりあえず、初動画をYouTubeで公開しました〜!
一応、間に合ったかな?w
後半もアップしましたので、よろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ
あたたか〜い目で見てやって下さい!
ナツネコクリスマス会で検索すると、
メイド服の2人が出てくるはずなので、それです!
よろしくお願いしますm(_ _)m

おっと、忘れてた!
メリークリスマス☆

こんばんは〜!
小説を読んでくれている皆様、そしてこの小野崎の野望という日記を読んでくれている皆様、本当にありがとうございます〜!

でね、こないだ動画撮るよ〜って言ってたじゃないですかぁ。
実際にね、撮ったんですょーw
後先考えずにね?ww
もう、10分のラジオ動画を作るつもりがなんと!1時間半以上喋り続けていたというw恐ろしいですねぇ〜www
結果、めっちゃ楽しかったんだけどねw

それをね、
ナツネコのクリスマス会って
サブタイトルつけてやったのょぉー。
だが、しかし!!!
気づいたら、明日イブやん⁉︎ってなってw
編集に追われているわけですm(_ _)m

編集って…難しいんだねぇ〜。
もぉ、すっかり自分が機械音痴ってこと忘れてたよぉ〜www
まぢ、もぉ圧縮ってどーやんのょ?
mp4に変換出来ないんだけど、どーすんのょってかファイルが開かねぇ‼︎

さっき、やっとインターネットが繋がったょ?ww間に合うのか!?これっ!w

あー、誰かヘルプ( ;´Д`)

後先考えずにね、物事やると楽しい反面、こんな事もおきるんだょ?wまぁ賢明な皆様は、ちゃんと考えてから行動すると思いますが、ご注意です!ww

つって、
やぁぁぁ〜もうっ。
パソコン動かないっっっ!

間に合ったら褒めてねぇ〜( ´ ▽ ` )ノw

因みに、間に合わなくても大してクリスマス感は無い感じの話してるから、そのまま使いまーす!Σ(゚д゚lll)

メイド(一ノ瀬瑠宇)が
見た目も中身も黒いってことで
Black maid meetingってタイトルになりやしたぁー!どうぞ、こちらもよろしくお願いしますm(_ _)m



















「お前は…」

ヘレンローゼカッツェが愛用していた、闇に消えるような黒いコート。
大事な仕事の時は着用するのが私達のルーティンだった。
1人1人違うデザインだが、それぞれのコートの特徴は覚えている。
彼が着ているそのコートは…。
間違えない…。
このデザインは2年前に消えたアサシン…鷹尾颯馬。

彼はゆっくりと深く被ったフードをとった。
「久しぶり。一ノ瀬。」
変わってない。私を唯一苗字で呼ぶその声…。
少し不器用な笑顔も…。少し冷たい瞳も…。
私は、左手に持っていた荷物を落とした。
「どこに行ってたんだよ、今まで。…お前のせいで私は。」
涙が止まらない…。
「私は…お前の仕事もこなして来たし…何より心配したんだぞ。」

ゆっくりと鷹尾が歩み寄ってくる。
「ごめんな。」
私は、涙を拭って鷹尾を見た。

予想外の出来事に、私の思考は完全に停止した。

鷹尾は…

……私に銃口を向けていた。

「一ノ瀬、俺はそもそもカラス側の人間なんだよ…。」
どう言うことだ…?

「俺はマスターと契約したんだ。
俺は組織と言うものから離れて、普通の暮らしを送りたかった。
でも、カラスの間に生まれた子供はカラスとして生きるしかなかったんだ。
そんな時、マスターと出逢った。
マスターは俺に、カラスから抜けて新しい道を歩けるように少しだけレールを敷いてやろう、と言ってきた。
その代わりに、孤児院から連れて来た彼らに戦う術を与え、
彼らが成長するまで1人も命を落とさぬように守りぬけ、と。
最初は騙されたつもりで、あの家で暮らしていた。
マスターがどんな手を使っていたのかは分からないが、
他のカラスの連中は俺に対して反感どころか避けるようになった。
不気味だと思わないか?
カラスは裏切り者に対して、平気で制裁を与える。
むしろ、それを楽しむものがいるくらいだ。
俺は、ずっと気になっていた。俺は今、どこを歩いているんだ…って。
そして、2年前。あの仕事現場に偶然、よく知る奴が居たんだ。
本当は、そいつから少し話を聞き出して現場に戻るつもりだったよ。
だがな、その話を聞いて戻れなくなった。
マスターがカラスを取り仕切っていたからだ。結局、俺はカラスから抜けてなかったんだ。
マスターは、カラスと猫を喧嘩させて、どちらが勝つか見たかっただけなんだよ。」
「お前は、人の言葉に振り回され続けているだけじゃないのか…。」
「あぁ。そうかもしれない。だから、俺はどちらにも戻らないと決めた。
そして、カラスも猫もどっちもこの世から消さなくてはいけないと思った。
どっちに居ようと、マスターの手駒だ。誰も幸せになんかなれない。」
「…だから、私も消す、と言うのか。」
「…まさか。」
鷹尾は静かに銃を降ろした。
「罪のない人間を殺す趣味なんて、本当はどこにもない。
自分がどうして闇の世界でアサシンと呼ばれ続けているのか、全く分からない。」
俯きながら続けた。
「だから、銃口を向けるとしたら。君達、猫を育ててしまった人間…。」
鷹尾は顔を上げ、銃口を自分の頭にあてた。
「こっちの方が、正しいよね?」

「…やめろ。」
「安心して。俺の任務は、自分が育ててしまった猫を命懸けで守って…
カラスも猫も何もかもを失ったマスターに制裁を与えることだから。」
鷹尾は銃をコートの中へとしまった。

「一ノ瀬、俺の気配に気づくなんて、成長したな。」

そう言うと、鷹尾は静かにその場を立ち去って行った。
まだ、何も整理がつかない私を置いて。



私は一階に降りながら、コートに袖を通していた。鴉川がこっちを見ている。
「少し、出掛ける。誰かが家を燃やしたせいで私物も足りないからな。」
「えー、そんなこと言ってぇ。どうせ毒ガスかなんかじゃないのぉ?僕、巻き込まれたくないんだけどー。」
そう言いながら、
ガスマスクを装着し始める鴉川。
「ほんと、ガスマスク付ける時ってメガネ邪魔なんだょね〜。まぁ、だて眼鏡だから外してても問題ないんだけどー。」
なぜ、分かった⁉︎
準備が良すぎるぞ!
しかも、だて眼鏡だったのか。
「お前は死にそうにないな…。」
ニコッと笑った。
「さぁ、死なないのは僕だけかなぁ?wきさらちゃんは、こんなんで永眠に辿りつけるのでしょうか〜?楽しみですねーw」
椿さんが毒薬の配合に失敗した事はない。
「あいつが人間なら効果はそれなりに出ると思うがな。」
「そうですかぁ〜。仲間との信頼関係、とっても僕は羨ましいと思うよ。でもねぇ、一応確認には戻っておいでよ。仮に失敗してたら、君にはまだ報酬を得る権利はないわけだし。あぁ、そうそう!きさらちゃんの好物も買ってきたほうがいい!甘い物、何でも大好きだから!」
「分かった。じゃあ、お供え物として何か買ってくることにしよう。」
「うん!僕にも!」
「お前は自分で買えっ!じゃあな!」

全く、何なんだ。
そう思いながら大きなドアを開けて外へ出た。門までが少し遠い。
そういえば、孤児院にいた頃もそうだった。まだ幼かった私にとっては、ドアがすごく大きく感じて、そして門の外へ出るのが憧れであった。その距離はすごく遠く感じて。でも、門を出た先にあったのは、生きる為に何でもしなければならない、闇の世界。ヘレンローゼカッツェ。
でも、私が一番先に向かった場所はやはりあの家だった。焼き跡がまだ残っている。
警察が張ったのであろう、立ち入り禁止のテープを潜り、敷地に入った。
鉄筋がむき出しになったその家は少し寂しかった。今にも崩れ堕ちそうだが、地下への階段を降りて行った。マスターがいつも暮らしていた部屋が地下室の奥にある。地下もかなり焼け焦げて匂いが充満していた。マスターの部屋の扉は跡形もなかった。だが、金庫だけは残っていた。始めて知った、金庫の存在。私は、革手袋をはめて金庫のドアを引いた。鍵がかかってない。そこには、一枚の写真があった。マスターが撮ってくれた、ヘレンローゼカッツェの家族写真。
「…ただいま。みんな。」
写真だけが残されたその金庫のドアを閉めてまた地上へと戻った。
何だかもう十分だったのだ。

任務を遂行する時以外で、こうしてふらふらと1人で外を出歩くことは、今までほとんどなかった。
義務教育期間中は、孤児院が通う専門の学校だったから、他のみんなも一緒だったし。友達を作る気もなかった。知識は必要だというのが、マスターの口癖でもあったから、高校は通信教育を受けさせられていた。定期的に通わなければならなかったが、内部潜入担当の私がふらふらと1人で外出するなど、あり得ない事だった。
考えてみれば、ヘレンローゼカッツェ以外の人間と親しくなることなど一度もなかった。それどころか、買い物もほとんどした事がない。服はずっとお下がりばかり着ていたし、食事は作るのが担当で材料は表に顔出ししても問題ない人の中で、ローテーションで買い出しに出ていた。
私は、急に1人で外に出ている事が不安になってきた。仕事なら、1人でも平気だったが家もなくなり、仲間も散らばり、通信手段もないこの状況が、とても怖かった。私は闇の中にいすぎて、社会に適応出来なくなっていたことに気づいた。

あぁ、しっかりしなくては…。
またみんなに会えるまで、これからは1人でうまくやっていかなければならい。

軽く深呼吸して歩き始めた。
内部潜入で出歩いた外の景色と、
こうして1人で歩いている時の景色は何も変わらない。
公園があって、子供達が走り回り、親達は井戸端会議をしている。学校があって、チャイムと同時に生徒達がぞろぞろと出て来て、グラウンドには様々な部の掛け声が響きわたる。スーパーがあって、主婦が自転車のかごに食品袋を詰め込んでいて。カフェがあって、コーヒー片手にパソコンを覗き込む会社員や、ケーキを食べながら仲良さそうにくつろぐカップルがいる…。

変わったのは私の環境だけなのだ。

私はケーキ屋に立ち寄った。
さて、お供え物の甘い物でも買って戻ろう。カップに入ったプリンアラモードを3つ注文した。1つで良かったはずなのに…でも、自然と注文してしまっていた。
まぁ、いい。任務終了の祝い事だ。
ケーキ屋を出たら、もう外は暗くなり始めていた。本当に、冬は日が暮れるのが早い。私は、早足で桜条の家に向かった。
暗くなると、私を恨むカラスどもがうろうろし始めるからだ。他にもヘレンローゼカッツェを恨む組織は多い。感覚を働かせながら、急いだ。

…誰かが跡をつけている。
高架下をあえて通った。
足音が静かなやつだ。カラスか?
私はコートの中に手を入れ、
銃を握り締めた。

「誰だ…。」
振り返ると、フードを深く被った男がいた。その、真っ黒なフード付きのコートに見覚えがあった。

「…まさか、お前。」

私の鼓動は一気に速まっていた。



















るぅしゃん…キャンディ食べる?……
私は、一瞬何を言われたのか分からず、唖然としていた。
一方、きさらもまた眠そうな顔でこちらをじっと見ていた。

「えっと、…お気遣いなく。」
あぁ、もう自分で何を言っているのやらと少々思いながら返答した。
が、しかし、
彼女は私の顔をじっと見つめてポケットから棒つきキャンディをとりだし、
袋を開けると、勢いよく私の口の中に突っ込んだ。
その素早い動作と勢いを口に入れる寸前で殺したのか、
私の口には、優しく甘いキャンディの味が広がった。
「お気遣い、しない。私、キャンディあげたい。だから、あげる…。」
鴉川はにこにことしながらこっちを見ている。
「あ、ありがとうございます…。」
きさらは頷いた。無防備で満足そうな表情だった。

「さて、きさらちゃん、お部屋に1度お戻りになりますか?」
鴉川の言葉に無表情で頷く。
「今回もお荷物は全て捨てて来てしまったのですね。」
確かに、きさらは身一つでの帰宅だった。
普通、海外で暮らしていたのなら、相当な荷物があっても良さそうなものだ。
「重いの…嫌い。だから、みんなにあげた。残ったの、捨てた。」
あげたってことは…
私がこの口に放り込まれたキャンディのように、やはり強引になのだろうか?
というか、重いの嫌いだからって、
普通、着の身着のままで帰国するかっ!?
あとは捨てただと!?
許しがたい…。

「きさらお嬢様は、本当に困ったお方ですね。」
とても嬉しそうに、鴉川が話しを振ってくる。
「えぇ、本当に困りものですねぇ。」
皮肉を込めて言ってやった。
「私、夜ごはん食べて来た。そろそろ眠い。」
お嬢様ってやつは…。
「それは困りましたねぇ。」
「何が困ったんだ。寝せてやればいいだろう?」
私は、ほぼやけくそになりながら言った。
「だって、きさらちゃん。ここの家出る時に荷造り〜って言いながら
全部業者に引き渡しちゃってさw廃棄処分よぉ〜ww」
それは、荷造りではないっ!
「しかも家具はもちろん、服も下着も何もかもよっ?ww」
「何っ⁉︎」
「家具は、新しいの買っといて、君らの部屋に配置したんだけど、流石に女の子の服とか下着は揃えてなくてw」
「まぁ、揃えてたら気持ち悪いがな。」
「いやぁ、家具買ったら預かってたお金も使い果たしちゃったし〜。」
「私は貸せるような金は持っていないぞ。」
「うん!お金借りる気は無いよ!でも、今日だけきさらちゃんに何か服貸してあげて!」
「あぁ⁉︎」
「るぅしゃん。私に貸してほしい…。シルクのパジャマ…。」
「いや、私は持って無いぞ…。」
鴉川が隣で爆笑しているのに少々イラつきながら、とりあえず自室に連れて行った。

まぁ、もとは私の部屋としてあったわけではなく、
きさらの部屋としてあったみたいだが…。
「壁紙、変わってる。ピンク気に入ってたのに…。ベッド、白いの嬉しい…。でも、天蓋がない…。」
自分で全て捨てておいて、風変わりした部屋に一喜一憂していた。
鴉川のセンスなのだろう。
ほとんどの家具が白を基調としているいかにもお姫様、といった部屋だ。
ベッド2つ横に並べられ、さらにそれぞれに机まで用意されている。
ソファーも棚も白で統一され、トイレとバス付きの部屋。
お嬢様に与える部屋としては、そこまでセンスが無いとも思えないが…。

私は、自分のスーツケースの中の私物を片付けながら
きさらに貸せるような服を探した。
と言っても、探すほど持っていない。
ここに来た時の黒いスーツ、
仕事着用の黒いタンクトップとグレーのパーカー、黒いショートパンツ、
あとは部屋着用のジャージしかない。後々、取りに行こうと思っていたから…。
「悪いが、私もあまり服を持って来ていないんだ。ジャージでもいいか?」
こくりと頷く。
「…先にお風呂入りたい。」
そうか、私はメイドだった…。
「かしこまりました。」
「敬語、いらない…。」
風呂を沸かしに行こうとした私の袖を引き、ボソッと呟いた。
「…あ、あぁ。分かった。」

風呂を沸かしつつ思った。このまま懐かれても…。
そう思い、私は湯船に薬を溶かした。
液体に溶かすと自然に気化し毒ガスが発生するものだ。

「きさら、お湯沸いたから入ってこい。」
コクリと頷くと眠そうに風呂へと向かった。
「お風呂で寝そう…。」
そうだな、永遠に眠れるだろう。
「あとでジャージと下着を用意しておく。タオル類は全て脱衣所の棚に入っていたから出して置いた。」
またコクリと頷いた。

毒ガスが生じるのは5分後。
さらにそれは30分で部屋にガスが充満。
呼吸が苦しいと違和感を感じる頃にはすでに手遅れとなり、
毒は全身にまわっている。
その後、窓を開けずともガスが薄くなっていく便利な薬。

私は、きさらがシャワーを浴びる音を聞きながら、仕事着に着替えた。
少し外に出ていよう。この毒ガスを一緒に吸うわけにはいかない。
鴉川には、取りに行くはずだった私物が足りないから買い物に行くとでも言っておこう。
ちょっとしたアリバイ作りにもなる。

簡単な戦いだった。
そう思いながら部屋を出た。


お疲れさまでーす( ´ ▽ ` )ノ
忘年会の季節ですね〜!
お酒はほどほどに楽しみましょうね!
あと、そこの可愛い女の子達!!
酔っぱらいに注意っすょ(*^^*)w

ってことで、本題!
明日は動画の撮影行ってきまーす!

が、しかし。
キャスト変更!
一ノ瀬瑠宇さんのイメキャラ様これず〜
小野崎と桜条きさらちゃんのイメキャラ様でお送りします>_<

2.5次元?お楽しみにっ!!

ところで、
小野崎ときさらちゃんに質問したいこと、何かありますかー?
皆様の質問、要望、お待ちしてます!

私は絶望の真っ只中にいた。
それでも、任務を遂行しなければならないのは分かっていた。
あの人が野良猫の組織から消えた時もそうだった。私達は、万が一の時は仲間よりも任務を遂行することを優先すると決めていた。いつか、どこかでまた会えるから…。

翌朝、とてもよく晴れいた。
積もった雪がキラキラと光り、窓越しに綺麗だと思った。同時に、私には似合わない純白の景色だと感じた。
ガチャっとドアが開く。
「瑠宇ちゃーん?朝だけど起きてる?」
「お前、ノックぐらいしろっ!着替えて無かったらどうするんだ?」
「うん、ごめんごめんww」
全く反省の色がない。
「これ、届いてたょ?」
「私に…?」
にこにこと笑いながら小包みを渡した。
送り主は椿さんだった。
椿さんは、まだ生きてる…!
「良かったねぇ、まだ逃げ切ってる人がいるみたいで。さぁ、どこまで逃走出来るか見ものだね〜。僕の時と同じゲームを我が主は楽しんでいらっしゃる。」
「お前は、何とも思わないのか?」
「何を思うの?僕らは君達みたいな仲間意識はないからねぇ。顔見知りだろうと、歩合制みたいなところがあるし。仲間同士で獲物の奪い合いだよ。同じ集団に属する敵。その敵を潰してくれてるんだ!僕の手を汚さずにね。有難い話だよ。」
つくづく、カラスは解らないと思った。

私は1人になってから、小包みを開けた。
中には、薬が3種類と暗殺ペンが入っていた。箱の底に手紙が入っている。
『あの家はもうない。だが、皆んなそれぞれ身を隠して散らばった。野良猫に家はもともと必要ではなかったのだとマスターは言っていた。訳があって連絡は取れない。この小包みが最後の連絡になるかもしれない。だが、お互い生き延びれば、きっと、またどこかで会えるはずだ。生きてそこを出てこい。 椿。』

そう、きっとまたどこかで会える…。
この戦いに勝とう。

私は暗殺ペンを胸の裏ポケットに忍ばせた。何となく、皆んなの思いが身に染みるような感じがしていた。

そんな時だった。
邸宅のベルがなった。外には黒い車が停まっている。

来たのか。
ようやく、私の戦う相手が来た。
一階に降りて出迎えに行く。
最初はメイドらしく振舞っておこう。
だが、見た目だけでも
少々予想外な人物だった。

ピンク色のロングヘアー。
黒と白のゴシックファッション。
片目に黒の眼帯。首にチョーカー。
両耳にピアス。
口にアメをくわえて登場…。

「おかえり〜っ!きさらちゃん!」
やたらとテンションの上がる鴉川。
「渓くん、気持ち悪い。」
可愛い声で単刀直入に言う。
ぇ、この娘が…?
「きさらちゃん!新しいメイドさんだょ!一ノ瀬瑠宇ちゃーん!」
「…初めまして、メイドとして働くことになりました、一ノ瀬瑠宇です。」
眠そうな顔をして、私の顔をじっと見つめていた。
「…るぅしゃん?んー、キャンディ…食べる?」

これが、彼女との最初の会話であった。






















クローゼットには、沢山のメイド服…。
桜条要……、悪趣味すぎるだろっ!!
あーでも着なきゃ解雇、絶対ごめんだ。カラスの言うことを鵜呑みにしたくないが、
だがリスクがある限りは…。こんなことで、仲間に迷惑掛けられないしな。

で、着替えたはいいが…。
鏡に映る自分の姿をみただけで吐き気が…。
お願いだ!誰もみないでくれぇぇっ‼
さっさと終わらせよう、それが一番。

私は、カラスに言われた通り、一階の大広間に向かった。
大広間のドアの前でカラスが待機していた。

「瑠宇ちゃーん、似合うじゃないかww」
「カラス…仕事が終わったらお前も始末してやる…。」
「カラスじゃなくて鴉川!まぁ、渓って呼んでくれてもいいんだけどね?」
全く、面倒な奴だ。
「私は、そこまで親しくなる気はない。」
「でも、これから一緒に暮らすんだよ?仲良くしといたほうが賢いんじゃないかな。」
「長居する気などさらさらない。」
「ふぅーん、そうか。かわいそうな子猫ちゃん。お兄さんを頼ってくれてもいいのに。」
何なんだ…。気持ち悪い。
まるで、これから長い付き合いにでもなるようじゃないか。

大広間には大きなテーブル、赤い絨毯にシャンデリア。
いかにも豪邸、という感じであった。

鴉川は大広間の突き当りの席に向かって歩き、静かに言った。
「さて、我が主。一ノ瀬瑠宇をお連れしました。」
「よく来たな。私が桜条要だ。まぁ、座りたまえ。」
それまで、私と鴉川しかいなかった部屋なのに…。
鴉川が椅子を引き、私を誘導する。
「驚いただろう?」
鴉川はそっと私の耳元でささやいた。
あぁ、驚いたよ。3D化した桜条要の映像と話すことになるとは…。

「一ノ瀬君、現物の私と話せるのは執事である鴉川渓だけ。君と話すのはこのような形となる。」
「別の場所にいるんですね。」
「そうだね、だから君が私を殺すことは不可能だ。」
「なるほど。」
挑発とも思えてくる言葉だ。
「君を雇ったのは、この私。知っての通り、君から両親を奪ったのもこの私。」
「どのようなおつもりですか?」
「ちょっとした償いだよ。まさか、娘さんがいるなんて誤算だったんだ。申し訳ない。」
「…ふざけるな!」
「君がそう感情をむき出しにするのは仕方ない。本当に大きな誤算だったよ。」
「桜条家の娘を殺せというのは…償いのつもりですか?」
「どうかな。私にとっては大事な孫に値する。できれば、お願いしたくないよ。」
「では、なぜ。」
「彼女は私の脅威だ。君とは比べものにならないくらいのね。」
「どういう意味だ?」
「詳しいことは言えないが、君には彼女を人間らしく教育してほしい。殺したければ殺しても構わない。」
「教育?」
「人間として対等に付き合ってもらえれば十分だ。」
「闇の中で過ごしてきた私に、」
「そんな君だからだよ、一ノ瀬君。きっと君なら彼女が誰にも危害を加えないようにうまいことやってくれると信じてるよ。」
「危害を加える?」
「一緒に過ごせばわかるさ。彼女は強くなり過ぎた、暗殺すべき人間だ。残念だがな。」

危害を加えるほど強くなり過ぎた暗殺すべき人間…。
逆に私が殺される可能性もあるということか…?
「我が主、お時間です。」
「それでは、一ノ瀬君。彼女のことは君に任せた。人間として扱うか、殺してしまうか、君次第だ。」
徐々に桜条要の映像がぶれていく…。
「それと、メイド服お似合いだよww」
「くっ、」
クソじじぃ!!完全に映像は消えてしまった。

鴉川はにこにこと笑っている。
「ね、長くなりそうでしょー?」
「…さっさと片付ければいい話だ。」
「怖いもの知らずだねぇ。明日、帰ってくるからよく見極めたほうがいいよ?僕、野良猫の残骸興味ないし。」
「おい、勝手に私を殺すな。私はあの家に帰るんだ。」
鴉川は腹を抱えて笑った。
「野良猫の家ねぇ、まだ残っているといいね。今頃きっと炎の海。マスターは最期のコーヒーを入れてるのかな。」
「!?」
私は、鴉川の首を掴み、ナイフを突きつけていた。
「お前の仕業か。」
「まさか。我が主も言っていただろう?ちょっとした償いだって。君の命だけ守ってくれたんだよ?」
私は手が震えていた。怒りと唯一の仲間が襲われた恐怖で…。
鴉川は瞬時に私の腕をつかみ、ナイフを振り落とした。
鴉川の頬にナイフの先がかすれた。
「僕の仲間はもうほとんど全滅だよ。遺体は見つからないが、行方不明だ。」
「…。」

私の頬に涙がながれた。
階段を駆け上がり、自室の部屋を閉め、イヤホンをつける。
「聞こえるか、応答しろ!」
返事はない。
「応答しろ!!」
…誰か。出てよ。お願い。

誰も出なかった…。

桜条要に対する憎しみが沸々と増幅していくのが分かった。
絶対、復讐してやる…。

両親も仲間も奪われた私には、復讐心しか残っていなかった。

 
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